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土地購入に迷う前に確認!注文住宅の土地の探し方とは 2022.6.6

「天井が高いリビングがある家に住みたい」「ウッドデッキがある家でのんびりできる時間がつくれる家が欲しい」

マイホームの夢を実現するには、注文住宅で家を建てるのが一番です。ただ家を建てるには、土地があることが必須。

注文住宅の土地は、“どこの土地にするのか”という点が、マイホームでの生活に大きく影響しますが、“なるべく希望に添った土地を探す”ことが非常に難しいことだったりします。

そこで今回は、注文住宅を検討している方の多くが悩むであろう、注文住宅の土地の探し方についてご紹介します。



一般的な土地探しの期間と流れ

「注文住宅でマイホームが欲しい!」となってから、実際に土地を探し、家が完成するまでには長い期間がかかるのが現状です。

一般的な家づくりの(引き渡しまでの)流れと期間は、次のとおりです。

【期間:約4カ月】
  • 情報収集
  • こだわりの整理
  • 資金計画
  • 土地探し(並行して施工会社を探すことも)
  • 住宅ローン事前審査 ※家のプランが必要になることも


【期間:約2カ月】
  • 施工会社の決定(本依頼)


【期間:約3カ月】
  • 土地購入の契約
  • 工事請負契約
  • ローン正式申し込み


【期間:約6カ月】
  • 着工
  • 上棟式
  • 竣工検査
  • 引き渡し

各期間はあくまで目安となるので、土地探しに1年ほどかかったり、プラン(間取り)に半年かかったりと、予想以上の期間を要することもあります。


情報収集・住むエリアの選定

まず土地探しには、住むエリアを決定することが必要です。

エリアを選定していくのに、整理しておきたいのが、家族の通勤・通学についてです。


・通勤
「車もしくは電車での通勤なのか」といった交通手段の話や、「移動時間は60分以内がいい」という時間の問題を整理しておきましょう。

会社によって交通費支給の条件は異なるので、会社規定もチェックです。


・通学
お子さんがいらっしゃるならば、通学についても確認しておきましょう。

現時点で小学校や中学校に通っている場合、学区が変わるエリアになると、転校することになってしまいます。

転校することにならないよう同学区内で土地を探すとなると、自動的にエリアは決まってくるので、その基準をもとに土地を探していけます。

入学前であれば、“親御さんの通勤可能な範囲内かつ子育てしやすい環境が整っているエリア”という条件から検討していくのもいいでしょう。


大和市で考えると…

例として、大和市の状況についてみていきましょう。


【交通から考える】
大和駅は小田急江ノ島線と相鉄線の利用が可能です。新宿や横浜方面はもちろん、ここ最近はJR埼京線との直通が可能となり、渋谷方面にも乗り換えなしでいけるようになりました。(時間による)

電車でさまざまな方面に向かうことができるのは、仕事だけではなくプライベートでのお出かけにも便利ですよね。

もし勤務地が渋谷方面で通勤は電車を使用し、休みの日は車を使って出かけることが多いというケースならば、大和市でも最寄りが中央林間駅になるようなエリアを探すのもオススメです。

中央林間駅には田園都市線が通っており、中央林間駅が始発になっているので、座りながら渋谷駅まで乗り換えなしでいくことも可能。近くには国道246号線が通っているので、湘南エリア方面にも通え、とても便利です。


【子育てから考える】
大和市は、全体的にほぼ平坦な街なので、車じゃなくても移動しやすくなっています。大和市内や付近にショッピングモールが充実していたり、公園や緑地もあり自然を感じられる環境があることもポイントです。

また、日経xwoman DUALと日本経済新聞社が実施している「共働き子育てしやすい街ランキング」で、2020年度が7位、2021年度には13位にランクインしており、神奈川県内でもとくに子育てがしやすい街として評価されていることがわかります。

参考)日経xwoman「共働き子育てしやすい街2021 総合編ベスト20」
https://woman.nikkei.com/atcl/column/21/112200051/120800001/?P=2

ただ治安については個人の感じ方で意見が分かれることもあり、インターネット上だけの情報ではなく、土地探しをお願いする業者にヒアリングをしてみたり、可能であれば大和市在住の方に現状について聞いてみるのもいいでしょう。

このように、まずは通勤・通学からおおまかエリアを決め、そこから子育てに必要な環境になっているか、災害被害、治安、周辺環境、買い物スポットといった視点でエリアを絞っていくのがいいでしょう。


エリア選定のポイント
  • 治安
  • 周辺環境
  • 子育てに必要な
  • 嫌悪施設がないか
  • ハザードマップ
  • 職場からの通勤
  • 買い物スポット
ただ「この地域じゃなきゃダメ!」といった限定的な範囲になってしまうと、土地探しに苦労することが考えられるので、希望の場所の順番を決めておくと業者からの土地案内の提案に柔軟に考えられますよね。


資金計画

エリアと同時に考えなければならないのが、予算についてです。

住宅ローンを利用することが決まっていても、自己資金で支払う費用も多いため、住宅ローンだけに頼ることができないこともあります。

また、住宅ローンを組んだ時点の生活水準で考えるのではなく、将来の出産や車の買い替えなど人生で新しいイベントも踏まえて資金計画を立てておかないと、住宅ローンの返済が難しくなってくることがあります。

そのため、現在だけではなく、10年・20年・30年後を見据えた資金計画を行うことが重要です。


土地購入で必要になる項目

土地購入で主に必要となるのは、次のとおりです。

契約金(手付金)売買価格の5~10% ※宅建業法では20%が上限
土地残代金※ローンでの支払い可能
諸費用土地代5~6%ほど

土地の残代金以外は、基本的には住宅ローンの対象外となるため、自己資金が必要となります。土地購入をするにあたって、どんなことで費用がかかるのか、現金が必要になるのか、も把握しておきましょう。

例えば、下記のような条件だとしたとき、次のようになります。

【土地代が2500万円】
購入申し込み1万円
契約金(10%)250万円
諸費用150万
合計268.5万

■諸費用の内訳
  • 仲介手数料
  • 売買契約書印紙税
  • 登記費用
  • 住宅ローン保証料 など

自己資金が必要になるのは、土地購入だけではなく建物の工事請負契約でもいえます。


土地と建物の適正な予算配分

予算を土地と建物へ適正に配分できることが理想ですが、実際はそううまくはいきません。

「理想の土地に出会えたため購入。しかし土地の予算をオーバーしており、建築費用が足りなくて、いろいろと家へのこだわりを削ることになり、結局心残りがある」

なんて後悔話もよく耳にしたりします。

適正な予算配分は家庭による、というのが答えになってしまいますが、予算配分を考えるには、自分たちのこだわりを整理しておくことが重要になってきます。

「最寄り駅から徒歩15分以内の土地を探しているが、基本的に車中心の生活をしている、かつ、どうしてもかなえたい間取りがあるため、土地よりは建物にこのぐらい予算を多めにしておこう」

少々抽象的ではありますが、このように土地のこだわり、建物のこだわりを別々に考えずに総合的な判断をしていけるようにしていきましょう。


実際土地を探す

エリアの条件や資金計画などの情報を整理することがある程度できれば、実際に土地を探すフェーズに入ります。

土地を探す方法は、主に次の3つです。
  • 自力(ネット、チラシ、紹介など)
  • 不動産会社
  • ハウスメーカー・工務店


自力(ネット、チラシ、紹介など)

土地の売主から直接購入することも可能ですが、自力といっても多くの方は住宅ローンあっせんなどは仲介業者に行ってもらうことになるので、最終的には不動産仲介業者に依頼することを頭に入れておきましょう。

ネットやチラシ、雑誌など土地の情報を公開している媒体は多く存在しています。いい土地情報があったからすぐにそれが購入できるというわけではありませんが、住みたいエリアや条件がどのくらいの坪単価なのか、把握するいい機会でもあります。

また最初は、土地探しをどの業者に依頼しようかと迷ってしまいますよね。仲介会社単位というより、営業さんとの相性もあります。
最初は2〜3店舗ほど足を運び、提示した条件に対してどのような土地情報を提供してくれるか、また営業さんとの相性などを材料に吟味していきましょう。


不動産会社

ネットや雑誌などばかり見ていても、土地探しは進みません。

もっている土地の情報量や鮮度でいえば、土地売買のプロである不動産会社の力を借りることが一番の土地探しの近道といえるでしょう。

「実際に土地を購入したが、いざ住んでみると近隣関係や通学路が暗い、病院や公園がない」など、不便な環境であることに住んでみてからはじめて気づくこともあります。

不動産会社からの情報だけで判断せず、自身で現地を見て、近隣環境を歩いてみることもオススメです!


ハウスメーカー・工務店

土地探しから依頼できるハウスメーカー・工務店もあります。

住宅ローンを受けるには土地だけではなく、建物のプランや見積もりが必要となってきます。そのため、土地探しと施工を依頼する業者探しはほぼ同時に探していくのが理想。

ただ土地探しも施工会社探しも体力と時間を消費していく作業です。探している途中で疲れてしまい、注文住宅の家づくりをあきらめる方もいらっしゃいます。

土地探しも含めた家づくりを提供しているハウスメーカー・工務店であれば、“不動産会社を探す”という一つの手間が省けるので、時間的にも気持ち的にも楽になるでしょう。

他にも希望の間取りや家のこだわりを理解したうえでの土地探し、土地と建物の予算配分まで同じ会社で検討できるとなると、魅力的ですよね。

ただ、ハウスメーカーや工務店を通して土地を購入した場合、依頼をしたハウスメーカーまたは工務店で建築することが条件となる可能性があります。

そのため、建築をそのままお願いすることになるのか、なるのであれば自分の建てたい家が実現可能なのか、といった土地購入後以降のことまで会社をチェックする必要があります。


土地の見学

自分で情報を探したり不動産会社やハウスメーカー、工務店からの情報をある程度整理し、候補が出てきたら実際に候補となる土地へ足を運んでみましょう。

土地の見学でチェックすべきことは、主に次の3つです。

  • 土地の形状や高低差
  • 建ぺい率、容積率
  • 周辺環境(施設、交通量、音や匂い、利便性など)


土地の形状や高低差

土地の形状や高低差は、土地の価値や建物の間取り・建築費に大きく影響します。

形状は大きく分けて整形地と不整形地に分かれます。


整形地
整形地は名前のとおり、正方形や長方形のように土地形状が整っており、建築する建物の間取りなどの自由度が高い人気のある土地です。

ただ、人気が高い故に価格も高額になりやすく、無理に高額な土地を購入してしまうと建築費が圧迫されてしまうかもしれないので、注意が必要です。


不整形地
不整形地は、土地の形が三角や台形、傾斜地、旗竿地などがあり形が整っていない土地のことを指します。

不整形地にもいくつかの形の分類がありますが、全体で共通していることは整形地よりも価格が安い傾向にあります。

また形状によっては、採光面に優れていたり室内が広く見えたりと他のメリットもあります。

ただデッドスペースが生まれてしまったり、建築コストが多くかかってしまうこともあり、家づくりの後悔につながってしまうこともあります。

同時進行で施工業者を探しているなら、購入候補となっている土地情報を施工会社に伝えて、どのような家になりそうなのか、アドバイスをもらうのもいいでしょう。


周辺環境(施設、交通量、音や匂いなど)

土地がどれだけ良い条件で、理想の住宅が建ったとしても、周辺の環境に問題があれば、後悔につながることもあります。


・施設
具体的にチェックしておきたい施設は、次のような施設です。

  • バス停
  • スーパー
  • コンビニ
  • 郵便局
  • 病院
  • 公園 など

例えば、共働き夫婦で仕事の帰りに夕飯の材料を買い物することが多いとします。

なのに、最寄り駅から自宅までの道のりにスーパーがなく、自宅を通り過ぎないといけなかったり、自宅とは反対方向にいかないといけなかったりしたら、時間がかかりしすぎてしまい、意外とストレスが溜まります。

子育て世帯であれば、近くに公園などがあれば、フラット子どもと一緒に遊べるので便利です。

他にも、子どもに近づけさせたくないような施設が近隣に建っていないか、という点も大切です。


・交通量
通勤で利用する道に開かずの踏切があったり、大型のショッピングモールが近いが故に家の周りの道路がとても混みやすかったり、住宅を中心に生活していくなかでストレスを感じる箇所があるかもしれません。

逆に車や人通りが少なく暗い道がある場合、学校や仕事帰りに歩くのは危ないかもしれません。


・音や匂い
工場が近くにあり生活に影響しそうな音や匂いがしたり、“ゴミ置き場がどこにあるのか”も重要なポイントです。“音や匂い”にも注目してみてください。

実際に生活をしてみないと発見できないこともありますが、土地を購入する前には実際に自分の目で周辺の環境を確認するようにしましょう。

また、前面道路も実際にどのくらいの幅があるのかを確認するのも大事です。自家用車で家に出入りするには狭すぎないか、不便はないか、という視点をもちましょう。

他にも、昼と夜の時間帯ではまったく異なる街の雰囲気になるものです。強く購入希望しているような土地は、昼と夜の時間帯に足を運び、自分の目で確認することをオススメします。


建ぺい率、容積率

土地を購入し自分の所有になったからといって、自分の裁量で建物の広さを決められるわけではありません。地域によって、建ぺい率や容積率は変わり、決まった値を守りながら建物をつくっていきます。


・建ぺい率
建ぺい率とは、都市計画法で定められた敷地面積内で建物を水平投影したときに、敷地に落ちる陰が占める割合のことを指します。

例.建ぺい率が60%の土地の敷地面積が100㎡だった場合
敷地面積100㎡ × 建ぺい率60%(0.6) = 建築面積60㎡


・容積率
容積率とは、敷地面積に対する延べ床面積(建物の床面積の合計)の割合のことを指します。

例.容積率が200%の土地の敷地面積が100㎡だった場合
敷地面積100㎡ × 容積率200%(2) = 延べ床面積200㎡

さらに建ぺい率と容積率の関係を、とても単純に表現すると次のようになります。
  • 敷地面積 100㎡
  • 建ぺい率/容積率 50%/100%
  • 延べ床面積100㎡以下
  • 建築面積50㎡以下

この条件であれば、1階50㎡、2階50㎡、合計100㎡の家が建てることが可能な地域であるといえます。

敷地面積が広くても、建ぺい率と容積率の制限により、思っていたような住宅を建てることができない可能性が出てきます。


用途地域・地盤

土地を紹介してもらうと、“用途地域”という用語を目にすることになります。また地盤だけではなく、ハザードマップ(洪水、浸水)なども気になりますよね。


用途地域

用途地域とは、建築基準法によって「この地域はレジャー・娯楽施設を建設してはいけない」「この地域は病院を建設してもOK」といった地域別にさまざまな制限を決めているルールのようなものです。

おおまかには住居系・商業系・工業系の3つ。全部で13区分に分けられています。


【用途地域の分類】
住宅系
  • 第一種低層住居専用
  • 第二種低層住居専用
  • 田園住居
  • 第一種中高層住居専用
  • 第二種中高層住居専用

商業系
  • 商業
  • 近隣商業

工業系
  • 工業
  • 準工業
  • 工業専門

工業専門以外は住宅を建設可能ですが、それぞれの用途地域がどんな意味をもつのか、という部分まで理解しておく必要はありません。

どうしても気になる方は、候補の土地の用途地域を調べ、どういった建物が建築可能なのかを把握しておくぐらいで問題ないでしょう。


地盤

土地の地盤をさまざまな方法で調べ、問題なく建物を建設できるか、建設するにあたって地盤改良が必要なのか、といった判断を行います。

土地購入にあたって、地盤調査の結果は非常に重要になってきますが、土地購入前に地盤調査を行うのは難しいのが現状です。

理由としては、購入前である以上、土地の所有者は売主にあるため、売主や土地を預かっている仲介業者の許可をとる必要性があります。

また、建築する住宅の間取りや位置が決まっていなければ、地盤調査の意味はほぼありません。

土地のど真ん中を地盤調査したとしても、そこに住宅が建つかどうか、間取りのどの部分にあたるかどうか、はわからないためです。

ただ地盤調査をしない、ということではなく、新しい建物を建築するには地盤調査を行うことが義務化されているため、土地購入・施工会社やプランが決定した後に行われます。


土地購入の契約

購入する土地が決まったら、購入の申し込みを行います。その後、住宅ローンを受けるのであれば、住宅ローンの仮審査を受けることになります。

ただ、つなぎ融資などを利用する場合は、この段階で建物(住宅)のプランや見積もりが必要となるため、施工会社の候補を絞っておく必要があります。

仮審査が通ったら、購入契約の手付金(現金)を支払います。

土地の売買契約が終われば、不動産会社への手数料と土地の残金を支払い、土地の引き渡しが行われ、施工会社の最終決定や工事などのフェーズに入っていきます。


情報整理して冷静に判断していきましょう

今回は、注文住宅を検討している方に向けて、土地探しの流れについてご紹介しました。

最後に土地探しのポイントをまとめると次のとおりです。

  • 実現したい暮らしを具体的にイメージ
  • 何を優先したいのか、を決めておくことが、土地選びの基準となる
  • 資金の状況について現時点だけではなく未来まで計画を設計
  • 住宅ローンや現金が足りなくなることに苦しむことを回避
  • 土地の特徴・種類を理解しておく
  • メリット・デメリットを理解しておくことで、土地選びの判断材料にする
  • 現地に必ず見に行くこと
  • 周辺環境も含めて自分の目で確認し、生活をイメージすること など

実際に土地選びは時間と体力を使います。また理想が膨らみすぎて、土地周辺の環境について何か見落としてしまうかもしれません。

大きな金額の買い物だったり、知らない用語や法律が出てきて、仲介会社に任せっきりにしたいという気持ちが出てくるかもしれませんが、決して他人任せにすることなく冷静に対応していくことが何よりも大事にしていきましょう。